「ゆるせない」

「おれ、ロシアゆるせないな」とランドセルを背負った群れの中のひとりが言うのを、自転車で通りすがる時に聞いた。軍国少年はかくして誕生するのだ、簡単なんだこんなの、と思った。ゆるせない、という言葉のひびきが胸の奥に張りついてしまって痞えている。マスクから覗いていた彼の頬はやわらかく、いたいけで脆いだろう。

 

今朝もまた、だいじに使っていた皿が欠けた。二つ目。新しいものはまだ迎えたくないが、買うなら同じものにしたい。