表裏

父を亡くしたある娘が涙ながらに父との思い出、その死に際を語っているのを見て、こんなふうに純粋に愛を表明し、悲しんで泣ける父を私は持たなかった、私は可哀想な人間だと思った。でも裏をかえせば、それは私の父には、こんなふうに純粋に泣いてくれる娘がいないということで、父も可哀想なのだと思った。